2026/07/14

琉球ガラス 稲嶺盛吉|泡ガラスの父・現代の名工の作品

泡の入ったグラスは、かつて売り物にならない失敗作とされていました。その泡を消さず、景色として見せる道を選んだのが稲嶺盛吉(いなみね せいきち)さんです。沖縄のガラス吹き職人として初めて国の現代の名工に選ばれた人で、いまの琉球ガラスに欠かせない泡の表現をつくりました。ここで紹介する作品は、公式オンラインショップから全国へお届けできます。

泡ガラスの父・稲嶺盛吉について

泡を、消さずに見せる

再生ガラスには、原料に混じった不純物のせいで細かな泡が入ります。長いあいだ、職人はこの泡を欠点として消そうとしてきました。稲嶺さんは反対に、泡を作品の見どころとして残す道を選びます。光が当たると泡が輝き、角度を変えるとグラスの表情も変わる。この考え方が、琉球ガラスの表現の幅を大きく広げました。

工房「虹」と、現代の名工

1988年に宙吹き(ちゅうぶき)ガラス工房「虹」を構え、1994年に国の現代の名工に選ばれました。卓越した技術者に贈られるこの表彰を、沖縄のガラス吹き職人として初めて受けた人です。

お求めの前に

在庫は、現存する作品だけです

稲嶺さんは2023年に亡くなりました。いまお求めいただけるのは生前につくられた作品のみで、売り切れると同じものは作られません。工房「虹」の泡ガラスは、長男の稲嶺盛一郎さんが受け継いでいます。

主な歩み

  • 1940年:那覇市に生まれる
  • 1988年:宙吹きガラス工房「虹」を設立
  • 1994年:現代の名工(沖縄のガラス吹き職人として初めての受賞)
  • 2023年:逝去。工房「虹」は長男・稲嶺盛一郎さんが継承

身近な素材から生まれた技法

稲嶺さんは、身のまわりの素材を使って思いがけない色や質感を引き出しました。代表的な技法を挙げます。

  • 泡ガラス:作品全体を泡で満たす表現。光を受けるとやわらかく輝き、見る角度で表情が変わる。
  • カレー泡:カレー粉を使い、量と窯の温度を変えて黄金色の泡を出す技法。
  • アイスカット:熱いガラスを水で急冷して細かなヒビを入れ、もう一度熱を加えて仕上げる。表面がざらつき、光を細かく反射する。
  • 土紋(どもん):読谷(よみたん)の珊瑚の土を高温のガラスに溶かし込み、ひび割れと素焼きのような質感を出す。
  • 備長炭:窯から出すまで仕上がりの色が読めない「雲流(うんりゅう)」と呼ばれる黒の表現。

作品ラインナップ

すべて一点ずつの手仕事です。色味や泡の出方には個体差があり、同じ表情のものはありません。

稲嶺カレー泡石型グラス

稲嶺カレー泡石型グラス

黄金色の泡は、カレー粉を使って生まれます。粉の量と窯の温度で色が決まり、夕方の海に落ちる陽の色に近づけています。型に天然の琉球石灰岩を使うため、表面の凹凸は一つずつ違います。

  • 高さ約9cm・口径約9cm
  • ¥7,150(税込)
稲嶺白泡石型 慶良間 藍

稲嶺白泡石型 慶良間 藍

白い泡で波しぶきを、濃い藍色で慶良間(けらま)の海を表しています。上空から見下ろした慶良間の、白い砂浜と青い海がもとになっています。形を整えすぎず、ガラスが流れる動きをそのまま残しているため、飲み口の当たりも一つずつ異なります。

  • 高さ約9cm・口径約9cm
  • ¥7,150(税込)
稲嶺泡波巻宙吹ガラス

稲嶺泡波巻宙吹ガラス

泡を欠点ではなく見どころとして扱う、稲嶺さんの原点にあたる一品です。細かな泡が全体に広がり、沖縄の海のように光を受けます。派手な色を足さず、泡そのものの表情で見せる作りです。

  • 高さ約9cm・口径約9cm
  • ¥6,600(税込)
稲嶺泡台巻一筆一口ビアグラス

稲嶺泡台巻一筆一口ビアグラス

一筆で引いたような模様が側面に流れる、背の高いグラスです。手になじむ細めの形で、泡盛やビール、日本酒に向きます。高さは約12cmあり、食卓での存在感もあります。

  • 高さ約12cm・口径約6cm
  • ¥6,600(税込)
稲嶺アイスカット石型宙吹きグラス

稲嶺アイスカット石型宙吹きグラス

熱いガラスを水で急冷して細かなヒビを入れ、もう一度熱を加えて仕上げています。表面のざらついた質感が光を細かく反射します。手になじみやすく、日常づかいに向く一品です。

  • 高さ約9cm・口径約9cm
  • ¥6,600(税込)

用途で選ぶ

こんな方に おすすめ
泡の表現を素直に味わいたい 泡波巻宙吹ガラス
夕日や海の色を食卓に置きたい カレー泡石型グラス/慶良間 藍
泡盛・ビール・日本酒をじっくり 泡台巻一筆一口ビアグラス(高さ約12cm)
日常づかいで手になじませたい アイスカット石型宙吹きグラス
贈り物や記念の一品に カレー泡石型グラス/慶良間 藍

※琉球ガラスは耐熱・強化ガラスではありません。熱湯・食洗機・電子レンジのご使用はお控えください(琉球ガラス全般に共通する注意点です)。

まとめ

欠点だった泡を、作品の見どころに変える。稲嶺さんの仕事は、この一点から広がりました。カレー泡、アイスカット、慶良間の藍。どれも一点ずつの手仕事で、同じ表情のものはありません。現存する作品だけなので、気に入った一品に出会えたときが手に入れどきです。

現地で見て気になった一品も、旅の帰りに。このサイトからそのまま全国へお取り寄せできます。

※価格・在庫は変わることがあります。送料や送料無料の条件など最新情報はご利用ガイドをご確認ください(全国880円〜、10,000円以上のお買い上げで送料無料)。

この作家の作品が並ぶお店

キッドハウス(琉球稲嶺泡ガラスギャラリー)

場所
沖縄県那覇市久茂地3丁目・国際通り沿い(キッドハウス2階ギャラリー)
取扱
稲嶺盛吉/池宮城善郎/松田英吉ほか、現代の名工の琉球ガラス

※店舗の詳細はキッドハウスの特集ページをご覧ください。営業時間等は変わることがあります。

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